【阪神JF】今年はどの馬にもチャンスあり?求められる資質はいかに
ポイント①早熟性orクラシック級の素質
現2歳世代にとって最初のGⅠ、勢力図がいよいよ明らかに!
今回取り上げるのは、阪神JFだ。
歴戦の古馬たちの戦いも見応え十分だけど、未来ある2歳馬たちのぶつかり合いも本当に面白いよね。
このレースは、毎年宝箱を開けるようなワクワク感があるよ。
その2歳女王の座を掴むためには、
早熟性 または クラシック級の素質
いずれかの資質が不可欠だ。
そうした馬たちは、ここまでの過程でも崩れ知らず。
4着以下の経験があると、好走率がガクッと下がるんだ。
過去10年の馬券圏内30頭のうち、4着以下の経験があったのは、ユーバーレーベンとウインファビラスの2頭だけ。
どこかに課題を抱えていたり、成長途上の段階では、この舞台で結果を出すのは難しいのだろうね。
その通り。だからこそ、一度でも崩れた前科がある馬は、その時点で評価を下げざるを得ない。
今年は有力馬の離脱で層が薄くなっているとはいえ、この傾向は軽視できないだろう。
それにしても、アルテミスSを勝ったフィロステファニは故障で引退、ファンタジーSを制したフェスティバルヒルも戦線離脱。
主役候補が相次いで姿を消してしまったねえ。
そのぶん、どの馬にもチャンスがある混戦模様。
各陣営、この機を逃すまいと仕上げにも力が入るだろうな。
完成度とデキの良し悪しも、勝敗を大きく左右する要素になりそうだな。
なるほどねえ。稽古の動きや当日のパドックの気配など、チェックすべきポイントは多そうだね。
それでは、私からもこのレースの傾向についての補足を。
ポイント②ハイペース耐性が求められる一戦
このレースは、1400m以下がベストという馬も多く参戦してくるのが特徴でね。
その結果、平均~前傾ラップになりがちなんだよね。
たとえ適性がギリギリでも、GⅠに出られるなら出走を選ぶのは自然な流れだよな。
それに展開ひとつで、上位に食い込める可能性もあるわけだし。
ペースが速くなりやすいので、ハイペース耐性は必須。
その分、1400m戦を経験してきた馬には、大きなアドバンテージがあると言えるよね。
23年1着:アスコリピチェーノ
(2歳新馬1着)
23年3着:コラソンビート
(京王杯2歳S1着)
21年2着:ラブリイユアアイズ
(京王杯2歳S3着)
21年3着:ウォーターナビレラ
(ファンタジーS1着)
19年1着:レシステンシア
(ファンタジーS1着)
18年1着:ダノンファンタジー
(ファンタジーS1着)
レシステンシアやダノンファンタジーは、いかにも1400mベストって馬だったよな。
しかし、2024年や2022年はそういう馬が一頭も馬券圏内に入っていないんだな。
果たして、本当に1400m適性はこのレースに必要なんだろうか?
そう感じるのも無理はないよね。
ただ実は、それらの年も4、5着にはシッカリ1400m実績馬が来ていてね。
しかも、人気を大幅に上回る好走。
むしろ、この事実こそがこのレースの性質を如実に表していると思うよ。
24年5着:スリールミニョン 16人気
(ききょうS1着)
23年5着:シカゴスティング 12人気
(ファンタジーS3着)
22年4着:アロマデローサ 13人気
(ききょうS1着)
22年5着:ミシシッピテソーロ 16人気
(ダリア賞1着)
20年5着:ヨカヨカ 10人気
(ひまわり賞1着)
この数年だけで、二桁人気馬がこれだけ掲示板内に来ているのか。
4~5着の馬に注目するファンが少ない分、こういう所に着目するとオイシイ馬券も取れそうだな。
おそらく、22年や24年は適性だけでは覆せないほどの能力差が、上位3頭との間にあったんだろうね。あくまでも、適性は能力差を埋めるものでしかないからね。
能力で凌駕出来る馬が何頭いるかも、ポイントだね。
今年はさっきオレがいったように、有力馬が相次いで離脱し混戦模様。
層が薄いメンバー構成だから、こういう馬たちの台頭もありそうだな!
ただひとつ気になるのは、1400m以下の経験がないだけで、実は適性がありましたーーそんなケースもあるんじゃないか?
そういう時こそ 血統の出番 だね。
ダイワメジャー、クロフネ、ルーラーシップあたりは持続力に優れていてハイペースにも対応出来るタイプが多い。
こうした系統の馬には、しっかり目を配っておきたいところだね。
なるほど。戦績、血統の両方を踏まえて、しっかりと精査したいところだな。
今回は、このレースに求められる資質を、あらゆる角度から掘り下げてきた。
ダイヤの原石たちが、これからどんな輝きを放っていくのか本当に楽しみだな。それではまた来週!
ブライアン梶田
チーム成駿の初期メンバー。「勝ちたければ使う側の視点に立て」という清水成駿の教えを自信の背骨とし、”陣営の思惑”を馬券に落とし込む。東西問わず、あらゆる業界人と関係を築き上げており、闇に埋もれる情報を掬い上げる。長年培った勝負勘から厳選指名する金脈馬は必見。
境和樹
東京スポーツで予想コラム執筆、『ラジオ日本 土曜・日曜競馬実況中継』にてメイン解説を担当。立教大学法学部卒、合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳を駆使し穴馬を仕留め続ける。得意の血統分析はもちろん、馬場、展開、舞台適性など、あらゆる角度から期待値の高い本命馬を導き出す。


