【京成杯AH】軽ハンデと確かな地力強化で波乱を演出!/来春へ弾みをつける初タイトル制覇!【札幌2歳S】

09/05 (土) 妙味解析!回顧ファイル
FILE:9/5(土) 中山11R

京成杯オータムH(GⅢ)

再ブリンカー着用のメタルスピードが押してハナを取り後続を3馬身ほど離した単騎逃げ。600m通過は34秒3。開幕週を思うと速すぎず遅すぎない平均的な流れ。

直線入り口で2番手のクランフォードが敢然と先頭に立ったものの、坂下から最内を突いてドロップオブライト、外目からはエコロブルームが台頭、最後はクランフォードとエコロブルームの間を突いたピコローズが一気に脚を伸ばして混戦に断。半馬身差の②着にエコロブルーム、際どい③着争いは急追してきたファンダムを抑え込んだドロップオブライトが制した。

ピコローズは前走で3勝クラスを勝ちあがったばかりでハンデ53キロはメンバー最軽量。最後の一押しはハンデの妙も出たと思われるが、締まったラップ構成でこの馬以外の上位入線馬が比較的重ハンデだったのを思うと、確かな実力が無ければここまでの走りは見せられないはず。

そもそも距離も1400mがベターに思われたこれまでの戦歴からして、マイルでのこのパフォーマンスは馬自身が地力を付けている証拠でもあるか。更に上のステージでも意外と馬鹿にできないかもしれない。

好位外目から一旦は先頭に立ったエコロブルームは内容的には勝ちに等しいレース。結果的には立ち回りが王道で素直過ぎたと言えなくもないが、この着差なら何も責めるところはなく、今回はハンデに敗れたと解釈して良いだろう。長い休みもあった馬だが、これならばまだまだ一線を目指して戦っていけそうだ。

③着ドロップオブライトは岩田康騎手の真骨頂であるイン突きが見事に決まった。好枠を活かした素晴らしい立ち回りは120点とも言える競馬で、牝馬の身で56.5キロと実質トップハンデだったことを思うと、②着エコロブルームと同じくハンデの妙と消化して良い。ターコイズSを勝ち、昨年の当レースでも②着に好走した中山マイル巧者の『らしさ』は存分に示したと言えよう。

後方位置から直線だけで押し上げた④着ファンダムも競馬としては強いと評価できなくもないが、気持ちのコントロールが優先される分だけ勝ちに行けない弱みを今回も露呈した格好。良い頃に戻ってきている感はあるが、本質的には広いコースの方が能力で勝負できるように思える。折り合って終いを伸ばす形が様になってきているのは、好意的に捉えておきたい。


─次はココに注目!─
1人気6着
フォルテアンジェロ


スタートは五分だったものの、他馬との出脚の差が出て後方2番手から。道中で動ける隊列でもなく、そのままの位置で溜めての競馬で、結局、直線に向くタイミングでも後方2番手。進路を探りつつ最後に脚を伸ばしてきたが、既に大勢が決した後だった。

今回が初めてのマイル戦で、それがトリッキーな中山で内枠だったことを思うと、立ち回りで完全に経験値の差が出た結果なのは明らか。これが東京なら勝手も違ったかもしれないし、最後は能力の一端をしっかり見せているだけに、この一戦だけで評価を下げるには値しないだろう。今後の番組選択に目を光らせつつ狙い所を探りたい。

(執筆:久光匡治)


FILE:9/5(土) 札幌11R

札幌2歳S(GⅢ)

テンカタイヘイが出遅れ。テングカゼ、ロゼハイスクールもやや後手。自然な形でコスモハナミズキが先手。ショウナンガレオン、ハヤブサカツオーがコスモとの差を詰め、一瞬三頭雁行になりそうだったが向こう正面半ばではコスモが先頭。少し離れてショウナンガレオンが続く形に。3角辺りでテンカタイヘイが外から徐々に進出し、2番手以下の差がやや詰まる。

勝負所ではショウナンガレオンが追い出しを開始すると逃げ粘るコスモを並ぶ間もなく交わし去り、後続を6馬身離して完勝。2着は粘ったコスモハナミズキ。道中は後ろの方にいたデザートスピリットが外から伸びて3着。

《レースラップ》
12.9-12.3-12.1-11.9-12.6-12.2-12.2-11.8-12.3
決着時計1.50.3 前半6F61.8 後半3F36.3


過去10年では6番目タイの時計。少頭数に加えてやや重馬場なら時計はこの位だろう。時計面は特に述べることはない。

勝ったショウナンガレオンは新馬戦の時計と内容を考えれば順当な勝利。1角~向正面辺りでハヤブサカツオーと軽く競っていた時は若干ひやひやしたが、能力が違った。厳しい展開だったとは言わないが、楽な展開というわけでもなかった。とはいえ新馬戦も今回も少頭数だったのは事実。それにレース中もまだまだ若さを見せていた。多頭数になったときにどうかが今後のカギ。

2着のコスモハナミズキは逃げて概ねマイペースに運べたことが大きい。この馬だけすでにオープンで走っていたことも経験として生きただろう。とはいえ勝ち馬には離されているし、3着以下との差は少ないことを考えると…。こちらも次走が試金石だろう。賞金を積めたことは良かった。

期待していたテンカタイヘイは出遅れがすべて。道中で早めに動いてしまったことも結果的には良くなかったと思う。逆に3着のデザートスピリットは道中で脚をシッカリ溜めた分直線では伸びた。4着ランダムナンバーは内々を回れた分。

9頭中未勝利馬が5頭という低調なメンバーだったことを考えると勝ち馬以外はそこまで大きな評価はできない。とにかく勝ち馬が強いレースだった。

(執筆:土屋龍太郎)


久光匡治
二天一流ホースマン

久光匡治

調教 美浦 取材
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従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想スタイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、平岩、堀内、室井、和田郎)



土屋龍太郎
優馬の若きドラゴン

土屋龍太郎

データ 穴党 分析班
連載コラム

取材力が核となる専門紙の世界において、卓越した馬券への才覚のみを買われ第一線に抜擢された若き昇り龍。大舞台に強く、直近でも2025年NHKマイルC◎パンジャタワー(9人気1着)を射抜くなど数々の特大万券を輩出。年齢のフレッシュさとは裏腹に、その予想には猛者の風格が香り立つ。