【弥生賞】年明けからハリが増し増し!/コース適性は証し立てられている!【中山牝馬S】

【弥生賞】年明けからハリが増し増し!/コース適性は証し立てられている!【中山牝馬S】

03/05 (木) 美浦追い切りレポート

3/8(日)中山11R 弥生賞(GⅡ)

皐月賞を占う意味を含め、重要度では文句なしといったGⅡ・弥生賞が日曜メイン。唯、ここからマイル路線に矛先を向けそうな馬がいるだけに、2000mへの適性も気になる要素。

柴田卓哉
柴田卓哉

その典型がアドマイヤクワッズ

デビュー戦の好時計にも驚かされたが、凄かったのは直後のレコード勝ち。

確かに、暮れの朝日杯では苦杯を嘗めたが、そこは道悪。実際、勝ち馬はデイリー杯で競り落とした馬だった上に、こちらは前半から進みが悪かったし、4角では外に張られ気味になって結果的には‘時すでに遅し’。

直線でのエンジン点火に時間を要したのが示す通り、持ち前の切れを封印されたからと総括できる。唯、全体を見渡すと少々首が短く映る分、ベストはやはりマイルではないか。ここは、ピンポイントを見極めるのがテーマといった点が見え隠れ。結局はNHKマイルCを見据えることになりそう。

柴田卓哉
柴田卓哉

東スポ杯3着のライヒスアドラーが首位争いに加わるとしなければならぬ。

内々でロスを避けられたのは確か。が、3角過ぎに接触があって押し込められたゆえ、位置を下げたのが痛かったから。唯、そこからのリフレッシュは織り込み済みだとしても、同じ舞台の共同通信杯が当初の目標だったにも関わらず、調整が遅れてここまでスライドしたといった経緯が。

実際、脚慣らし程度の立ち上げを含め、併せ4本と鍛錬を重ねられたのが2戦目。逆に、1週前にビッシリ追っての1F11.1秒があったとはいえ、遅れたのは事実だし、プラン通りのしまい重点だった木曜追いが素軽さ満点だった反面、2歳秋よりもかなり細く映るのが気懸かり。

柴田卓哉
柴田卓哉

それならばタイダルロック

窮屈になったとはいえ、抜けてくる脚もなかった9月でミソをつけた。が、そこは残暑厳しい中、追い日2本目での6F78.0秒がオーバーワークだったと共に、やはり急仕上げといった要素があったから度外視できる。逆に、立て直した年明けにはハリが格段に増したし、レースでは前に壁を造って最後には馬の間を割って伸びたように、長足の進歩を遂げた。

そこで目途を立てた上に、今回は上手くセーブした行き出しから弾けさせるメニューを課せられた結果、直線を迎えてからの推進力に拍車がかかった。何より、ラスト2週はいずれも雨に祟られて重くなったDW。その中、2本共にラスト11.4秒でまとめられたのは類稀な身体能力に由来。

柴田卓哉
柴田卓哉

あとはバステール

レースの綾で僅かに及ばなかったデビュー戦を叩いた直後には2000mでの完勝。しかも、集中を欠いて気合いつけられたかと思えば、促されると今度は行きたがる始末と荒削り。けれども、抜け出してからは楽なままの2.00.7秒は立派だし、4角手前から内を捌いたのが示す通り、コーナー4回に対する適性◎。

また、暮れの直前がポリだったのに対し、今回はオールCWで1週前には自己ベスト更新と鍛錬の度合いを上げられたことが成長を物語っている。

3/7(土)中山11R 中山牝馬S(GⅢ)

土曜メインは難解な中山牝馬S。

柴田卓哉
柴田卓哉

手順からすればアンゴラブラックに一日の長が。

何せ、単走で締めた中山金杯は+10キロと少々重目ながら、先週の別定GⅡでも2着に食い込んだ勝ち馬を脅かすまでに。それを叩いた効果でよりスタイリッシュになったし、直前に至っても併せ馬での5F65秒台が相手を窺いつつと上向いているのは間違いない段階で今回は牝馬戦。

反面、当距離であれば大箱の府中、コーナー4回であれば2000mでの立ち回りを武器にしているだけに、スタートしてすぐに1角に差しかかる中山1800mでのポジション取りが鍵に。

柴田卓哉
柴田卓哉

ニシノティアモのデキが凄い。

ノド手術を境に4連勝と破竹の勢いで、昇級初戦の福島記念などは、落ち着いた流れだったとはいえ、攻めのレース運びで盤石の競馬。しかも、秋同様に実質の追い切りだった1週前が、当時より手応えに余裕があっての先着と更なる進化を実感させたのだ。

元々、2000mより1800mに実績が偏っていたから、1F短縮はプラスにしか働かないゆえ、11月からの2キロ増しは相殺されそう。

柴田卓哉
柴田卓哉

唯、明け4歳組は強力。その筆頭に挙げるべきはパラディレーヌ

一気の相手強化だったオークス以降、振るわなかったのは内に包まれて不完全燃焼だったローズSのみとキャリアを積むごとに地力強化。つまり、出遅れて直線だけの競馬になったフラワーCからの変り身は計り知れないわけで、中山2度目となれば安定味は劇的に増しそう。

唯、オール単走で直前の上がり重点には納得が行く反面、そこに至るまでも控え目なメニュー続き。同じく休み明けだった秋初戦との比較であれば大きく異なる過程で、ややトーンダウン。

柴田卓哉
柴田卓哉

エリザベス女王杯こそ大敗だったが、秋華賞ではパラディレーヌに先着したエリカエクスプレスを尊重しなければならぬ。

そこでは、ほぼフラットなラップを刻んでの逃げと、セーブが利かなかった春の二冠とは全く違うレース振りと、それまでが実になったと共に、気分良く運んだ2戦目の中山が楽なままでコース適性が証し立てられているのが何より。

柴田卓哉
柴田卓哉

あとは小倉牝馬S組。手順とすればそこで僅かに及ばなかったボンドガールと行きたいところ。

秋からの3戦で見せ場がなかったのとは逆に、上手く脚を矯められた結果、上がり最速と脚力に衰えなしを証明。

これは、現地以外ではポリ主体での調整が嵌ったからだし、帰厩後にもそれを踏襲して、どうにか我慢を利かせた道中からのラストはダイナミックそのものと、調子には太鼓判を押せる。唯、前走は丹内の巧みな誘導も大きかった。展開の助けが不可欠なのには変わりない。

柴田卓哉
柴田卓哉

むしろ、そこからはクリノメイをピックUP。

0.4秒差とはいえ、直線がジリジリといった感じ。しかし、前に壁を造れた反面、小回りで窮屈な態勢に終始したし、前が開いた3角過ぎからのワンテンポ早い進出が切れを鈍らせた。

そもそも、重賞勝ちがマイルだったように、2000mは本質的に長いゆえ、1F短縮でメリハリが利こうし、前回時よりゆとりがある過程を経た。1戦1勝の中山といった点でも上積み◎。

柴田卓哉
清水成駿の直弟子

柴田卓哉

調教 新馬

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙「1馬」在籍時には、「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。長年に渡ってトレセンに通い、今でも美浦スタンドで眼を光らせている。仕上がりを的確にジャッジする腕に、亡き清水成駿も厚い信頼を寄せていた調教の鬼。データが最も少なく難解な新馬戦を己の庭としており、世間が驚く穴の激走を仕留める。