アパパネ号で函館へ!北の大地で味わう出張の醍醐味と、ルメール騎手が"No.1"と称えるアーモンドアイとの思い出
先週、お伝えしたように今週の12日(水)にジャストピーチーとともに馬運車に乗り、函館競馬場へ向かった。
ジャストピーチー&国枝厩務員(撮影・宮崎TM)
12日は東のほうから茨城県に台風が上陸する日だったが、荷物や馬を積む19時前はまだあまり雨も風も強くなかったし、特に作業に問題はなかった。
また、いざ馬運車に乗って道路を走っていても、雨の音や風の影響も特に感じなかったし、馬も全然気にする素振りは見せていなかったよ。もう少し遅い時間に雨と風が強まったと聞いたが、あの時間に出発できて良かったのかもね。
トレセンから途中のパーキングエリアで2回休憩をして、青森まで13時間くらい、そこからフェリーで3時間くらいかな。馬運車の中では持参したタブレットで映画を見たり、パーキングでは施設内をウロウロして見て回って楽しめたし、あとはよく眠れたよ。
フェリーも初めて乗るものだから、船内を散策したり1時間ほど寝ることもできて、まぁ初めて尽くしのことだからいい経験になったよ。
美浦から出発し、だいたい17時間くらいで函館競馬場に着いたけど、これだけ長距離、長時間の輸送のあとでもジャストピーチーは大きな疲れも見せていなかったね。
まぁ、強いて言うなら少し馬体重が減っていて、若干イライラする面を見せていたが、13日(木)に角馬場に乗った感じでは悪いところはなかったよ。週末も乗って整えていって、来週22日(土)のデビュー戦に向かえればいいね。
笑顔を見せる場面も!(撮影:宮崎TM)
函館で味わう出張の醍醐味!
自転車旅に、懐かしい顔ぶれとの再会
でも、周りから「出張先では自転車があったほうがいい」と言われていたから、出発前に自転車を買って馬運車に積んでもらった。なので着いてから早速、競馬場近くの「ハセガワストア」まで自転車で行って、名物の「焼き鳥弁当」を食べようと思ったんだ。
そうしたら、行った時間が悪くて観光客からの予約で一杯で…。できるまでかなり時間がかかるというから、これは次の機会のお楽しみにしておくよ(笑)。それ以外にも美味しい物やお店なんかを周りから聞いて、色々と自転車で行ってみたいと思っているんだ。
函館は涼しいと聞いていたけど、思っている以上に蒸し蒸ししている感じだね。ずっと曇っていて天気が悪くジメッとしているし、朝は22℃くらいだから美浦とそう変わらないくらい。
ただ、日中は25~26℃くらいなので、人も馬も過ごしやすいのは確か。これなら熱中症にもならないと思う。いい環境だよね。
既に函館入りしているトゥザファイナルも、デビュー戦を走ったあと以来、久々に乗ることができた。体重は初戦時と変わらないくらいだと思うが、脚元や体を触った感じは良かったし、初戦時より少し精神的に強くなった印象を受けたよ。
落ち着きが出ているし、中間も順調に時計も出せている。特に気になるところもないので、こちらもジャストピーチーと同じ来週22日(土)のレースに向けて仕上げていきたい。
あと、先に函館入りしていたという点では、元国枝厩舎のスタッフも何人か居てね。ハヤヤッコを担当していた者や、長年攻め専として厩舎を引っ張ってくれた助手なんかもいて、どこかでご飯でも行きたいなという話になった。
ルメール騎手&スタッフらに囲まれパシャリ📸
「現場を知る」という経験の価値
ルメール騎手語る"No.1"に感無量!
他にも気になったニュースがあって、先週9日(日)の札幌6Rで、元騎手の藤岡佑介現技術調教師が、パドックで馬を曳いてコースまで出し、ゲートまで付き添ったという件。
「どういうところが大変なのか、安全面とか実際にやってみて、馬具が何のためになるのかとかも知っておきたかった」と話したということだが、この「経験してみる」というのが大事だよね。
自分も実際、厩務員としてやってみて分かったこともたくさんあるし、調教師になる前にやっておくと今後にフィードバックできると思うんだ。この辺りを考えて曳いたのだろうから、大したものだよね。今後もこういう調教師が増えていくといいんじゃないかな。
最後にもう一つの気になったニュース。これも先週、アスコットで行われたシャーガーCの前に、ルメール騎手がイベントでのインタビューで「自分が乗った名馬5頭を挙げる」というシーンで、「ナンバーワンはアーモンドアイです」と言ったことが嬉しかったねぇ。
調教師時代の国枝厩務員&名牝アーモンドアイ
アーモンドアイとルメさんでの一番の思い出といえば(※編集部注Instagramのフォロワーさんからも同様の質問が届いていました)、2020年11月1日の天皇賞・秋を勝ったあとのことかなぁ。
レース後にコースから上がってきて、こっちは「勝ったー!」と浮かれて喜んでいたんだけど、ルメさんがポロポロ涙を流していてね。直後のインタビューでも泣いていたけど、もう何度もGⅠを勝っているルメさんが…と驚いたものだよ。
その前の安田記念は負けていたし、プレッシャーからの解放とか安心とか、シンボリルドルフを超える芝GⅠ8勝目の記録とか、色々な要素があったのかもしれないけど、それだけエモーショナルな勝利ってことだったんだろうね。
もうその勝利から6年も経ったが、本当にいい思い出だよ。
(執筆:守屋貴光)
守屋貴光
「視点を替えれば真実へ近づく。競馬も芸能界も同じです」──かつて某・有名芸能誌で毎週のようにスクープをスッパ抜いていた根っからの情報屋。競馬界に転身した今となっても"ウラ"を読むクセが抜けず、真の情報を求めて現場を奔走する。現在は厩務員として過ごす元調教師・国枝栄をはじめ、GⅠ常連陣営の取材担当も歴任している。 (担当厩舎:蛯名利、大竹、栗田徹、黒岩、鹿戸雄、高柳瑞、畠山吉、松尾)
★国枝厩務員の公式Instagramでは、今後もストーリーズで皆さまからの質問を募集する予定です。コラム内で回答していきますので、ぜひ【国枝栄 official】をフォローのうえお待ちください!
※次回は8月21日(金)更新を予定しています。


