担当馬に見る牡牝の性格の違い&国枝厩務員直伝・折り合いのつく馬の育成術!

07/24 (金) 厩務員・国枝栄の調教日誌

先週、詳しく紹介したラペーシュの2024だが、今週水曜(22日)の追い切りではウッドチップコースで自分が跨って併せ馬をした。

71秒6-56秒2-40秒7-12秒2を計時したが、暑い中でも動けていたし順調だよね。初めてコースで追い切ったあとでも疲れなどは見せていないし、このあとも調教を積んでいきたい。

▲「暑いけど、馬も人も大丈夫だよ」と元気に語る
国枝厩務員&ラペーシュの2024(水曜撮影)
もう1頭、人員と馬房の都合で持ち替えがあって担当していたのは、ヤスヒロゴーエンという3歳牝馬の未出走馬。2週間ほど前から手入れして運動にも跨っているけど、脚元のトラブルがあってここまでデビューが遅れた馬で、まだ歩様もシッカリしていない感じ。

大人しくて作業に苦労はしないのだが、甘えてきて体を寄せてきたり、緩慢なところも残っているから、少しずつ調教を進めている。

それでも、19日(日)の坂路では53秒6-39秒1ー13秒1とそれなりの時計は出しているし、動きそのものも悪くはないんだよね。

このあとは別の担当者と一緒に函館に行って調整するプランがあるから、何事もなく引き継げればいいね。脚元に問題も出ず、デビューに漕ぎつければと思う。

現場で見る牡馬と牝馬の違い
活気溢れる厩舎の日常

ここ最近は牝馬ばかり担当させてもらっているが、トクシーカイザートゥザファイナルなど牡馬との違いというと、牝馬のほうはややヒステリックになりやすいのかな。

普段は大人しくても、少し大きな物音がしたり妙な雰囲気を感じると急に「ヒヒィーン!!」と鳴いたり、馬房の壁をドーン!と蹴ったり、パニックになって態度が急変するんだよ。

牡馬のほうも、物音などにそれなりに反応はするんだけど、すぐ治まるのが大半。基本はドッシリとしているし、手入れ中にこちらに生意気な態度というか威嚇してきたりするのが牡馬。

まぁ、基本的に牡馬でも牝馬でも、そんなところがあるだろうと思いながら作業しているし、特に気にしないように接して対処している。あまりこっちがああだこうだ言っても、馬が言うことを全て聞くわけではないし、人間相手と似たところがあるかもね(笑)。

福島で魅せた元管理馬たちの奮闘と
涼しく遊べるボーリングのススメ

話は変わるが、先週の福島で注目していた猪苗代特別のアロンズロッドとバードウォッチャー。アロンズロッドは最後の伸び脚を見ると本当に惜しかったね(2着)

初めての小回りの福島だったし、もう1列前で運べていれば…という内容だったけど、勝ったのが逃げ馬だったからねぇ。2走前(青嵐賞)もスローペースで前残りの中、届かずの4着だったし、消化不良の競馬が続いているね。

バードウォッチャーのほうは、ジワジワ伸びて内容は悪くなかったと思うよ(5着)

しかし、先週末から今週にかけて急に暑くなり、朝も晩も気温が下がらずずっと暑いから、趣味のゴルフにも行けていないよ。休日の月曜の朝に、少し打ちっぱなしに行ったくらい。

でも、代わりにボーリングに行っている。こちらは天候に関係ないし、涼しいところでプレーできるからね。オススメですよ(笑)。

▲金曜朝、坂路に登場した
国枝厩務員&ラペーシュの2024(撮影・前田TM)

ファンの方からの質問にお答えします!
折り合いのつく馬に育てるには?

Q.もうすぐお盆ですが、地元(岐阜県)に帰ることはありますか?また、地元で好きなところはありますか?

A.年に2、3回くらいだが、実家の用事で帰ることはあるよ。高校を卒業して東京に出てきたのがもう50年以上前だが、その頃は本当に田舎で何もなくて、ノンビリした雰囲気のところだった。

今は実家の最寄りの駅前など、量販店やチェーン店などもたくさんあり、素朴なイメージは薄れてきたけど、好きなところというか「立派だな」と思ったのは近くにあった岐阜城だね。

何度か見に行ったことはあるが、石垣が綺麗で天守閣からの眺めもいいし、機会があれば見て欲しいお城だよ。(編集部注・現在~2027年秋まで天守閣及び資料館は改修工事のため休館中)


Q.旅行するならどこに行きたいですか?
A.調教師を引退して、今の補充員(ヘルパー)になるまでの間、クルーズ船に乗って数日船内でエンタメを楽しんだけど、ほかに行くとしたら世界七不思議であるエジプトのピラミッドとか、マチュピチュとか、ナスカの地上絵とか。

あとは各国の歴史的建造物であったり、そういうのを見て回りたいね。そこで唯一のモノだし、ほかでは見られないので興味あるよねぇ。

あと、ほかでは見られないという意味では、ロサンゼルスに行って大谷翔平選手の試合に行くっていうのもしてみたいかな。日本でのみならず、メジャーでも規格外だからね、あれは(笑)。


Q.2歳馬を担当することも多いようですが、折り合いのつく馬の作り方はありますか?
A.これは普段からの約束事、躾をシッカリやることだね。乗り手の「行け」「止まれ」という指示から、ハミの取り方、馬場入りの際の合図であったり、手入れの際の「ここを持ったら脚を上げる」とか、些細なことからお互いの意識をシンクロさせる感じ。

厩務員と調教助手でやり方を変えたりすると良くなくて、担当者が替わったとしてもそれまでと同じことをさせるのがいいと思う。馬と人で共通の意識をもつことが大事で、巧く馴染ませていって「手の内に入れる」のがコツだと思う。

無理矢理やるのではなく、徐々にでも「指示に対する動き」を慣れさせるのが折り合いに繋がると思うよ。


(執筆:守屋貴光)


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情報 取材 美浦
先週日曜2戦2連対!

「視点を替えれば真実へ近づく。競馬も芸能界も同じです」──かつて某・有名芸能誌で毎週のようにスクープをスッパ抜いていた根っからの情報屋。競馬界に転身した今となっても"ウラ"を読むクセが抜けず、真の情報を求めて現場を奔走する。現在は厩務員として過ごす元調教師・国枝栄をはじめ、GⅠ常連陣営の取材担当も歴任している。 (担当厩舎:蛯名利、大竹、栗田徹、黒岩、鹿戸雄、高柳瑞、畠山吉、松尾)



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※次回は7月31日(金)更新を予定しています。