【マイラーズC】京都マイルで未だ底見せぬ大器/更に洗練された身のこなし!【フローラC】

【マイラーズC】京都マイルで未だ底見せぬ大器/更に洗練された身のこなし!【フローラC】

04/23 (木) 美浦追い切りレポート

4/26(日)京都11R マイラーズC(GⅡ)

京都の開幕週なのと共に、安田記念に直結するとして良いのが日曜メインのマイラーズCで、まずポイントになるのがアドマイヤズームの復活があるやなしや。

柴田卓哉
柴田卓哉

天を衝くような勢いだった2歳時と異なり、昨季の3戦は案外だったアドマイヤズーム

けれども、急失速したNHKマイルCは落鉄に拠る上に、GⅠへのステップと目論んだ秋・スワンSで伸びを欠いたのは、ベストより1F短い距離が応えた。加えて、ラスト2週が坂路といったイレギュラーな過程だったのは、その後にマイルCS回避があったように、爪の不安に泣かされたからだろう。

対して、今回はコース主体だった上に、負荷をUPさせた2週前からの6F追いではラストを11.2秒台前半でのフィニッシュと一昨年を彷彿させてきた。となれば、GⅠ勝ちのある舞台に替ることを根拠にできる。唯、早稲の可能性を捨て切れぬし、前走のような速い時計の決着にマッチするかには疑いを挟む。

柴田卓哉
柴田卓哉

では、昨年の覇者ロングランか?

齢を重ねてもパフォーマンスが落ちにくい去勢馬だけに、8歳を理由に軽く扱うわけにいかぬ。事実、ほぼレースに参加できなかったフェブラリーSでの消耗は皆無に等しい分、立て直しは容易かろうし、単走だった追い切りでは外ラチに触れんばかりのコース取りながら、全くブレのないまま抜群の推進力を見せつけた。唯、その目立つ動きは4走前から続いている。昨4月より質の高いメンバーといった点でも苦戦を強いられそう。

柴田卓哉
柴田卓哉

サンプルとすべきは、やはり昨秋・マイルCSではないか。そこでの最先着ウォーターリヒトには敬意を払うべき。

確かに、最大の武器は強烈な末脚で、一見すると展開に注文がつきそう。しかし、緩い流れになって自身も負担なく追走できてこそ切れがマックスに。現に、4歳時ラストの1戦では、スローを見越して位置を取りに行った挙句、スムーズな進路変更を経てひと追いごとに脚を伸ばしたではないか。

ジャンタルマンタルは別にして2着ガイアフォースとの際どい差は勲章とさえ。直近で届かなかったのは坂下で勝ち馬に弾き出される不利が応えただけだし、2度走って常に上位争いの京都マイルに関しては底を見せていない。それも強調材料になる。

柴田卓哉
柴田卓哉

オフトレイルの巻き返しがあって良い。

二桁着順だったとはいえ、東京新聞杯は0.4秒差。伸びを欠いたのは、通常より前目の位置で勝負に出た菅原明が読み違えた。しかも、絞り切れぬ冬場にあってオール馬なりの過程と緩さが残る仕上げ。

対して、帰厩後の追い日1本目からして坂路52.9秒台突入があった上に、コースに移った1週前もやはり最後に気合いをつける長目追いと今回は強度が違う。無論、切れに切れるのが1400mで、当距離では矯めを利かせないと脆いだけに、展開次第といった見立てになる反面、高速決着には滅法強い点で弱点は最小化される。

柴田卓哉
柴田卓哉

直近では1番人気に反する13着だったのがエルトンバローズ

が、3走前まで遡れば、2着と0.1秒差と能力に衰えなし。唯、そこはラップバランスからしてスローとして良いのに加え、その流れでも離し逃げのあった形で番手からプレッシャーを避けて進められたように、レースの綾に乗じた感じ。暮れには無謀な有馬記念への参戦が示す通り、骨折によるブランク明け以降、路線が定まっているとは言えないことでも食指は動かぬ。

柴田卓哉
柴田卓哉

年明けからの連勝で波に乗っているベラジオボンドの下馬評が高い。

昨6月には効果が薄かったブリンカーを再着用しての効果は絶大で、気性面の進境も合わさってレース運びが洗練されてきた。加えて、一息入った直近を経て、1週前のラスト1Fと直前の坂路で先月を上回っているのだから上積みも計り知れぬわけ。

が、OP初戦は池添の誘導がピカイチだったことで直線半ばまでは楽に抜け出せそうな雰囲気だったのとは裏腹に、意外なまでの抵抗に遭って結局は0.1秒差。GⅡとなれば少々家賃が高い。

柴田卓哉
柴田卓哉

木曜追いになったシックスペンスの評価が微妙になった。

そこでは、ハローが明けて間のない時間帯での単走で、5F66.1秒~ラスト11.5秒。道中からしてリズム重視で最後まで持ったままながら綺麗なフォームのままでゴールに飛び込んだ辺りには‘さすが’と唸るしかなかった。当然ながら、既にGⅡ3勝と実績上位だし、中山記念でのレコードが示す通り、高速ターフは得意。

そのわりに、昨年の安田記念で振るわなかったのは、中間にトーンダウンした過程に問題があったとすべきで、マイル適性もある。一方、テンションを抑えつつといったメニューで輪郭が朧気な印象だし、肩の出が悪いのも相変わらず。つまり、転厩初戦でまだ手探りといった段階にあるのでは。関西遠征がありながら、最終調整が水曜でなかったことを含め、ポテンシャル全開とまでには至らぬ。

4/26(日)東京11R フローラS(GⅡ)

府中・日曜のフローラSは同じコースということもあってオークスを占う意味で興味深い1戦に。

柴田卓哉
柴田卓哉

注目を集める関東馬としてまず挙げたいのがファムクラジューズ

元々、華奢でデビュー時でさえ430キロに満たなかったが、2月には410キロに。とはいえ、11月に初勝利と今季初戦が当舞台だっただけに、適性◎だし、そのいずれもが気分良く前に行かせた結果、他を捻じ伏せた形だったから安定味にも太鼓判を捺せるわけ。

勿論、冬場からのリフレッシュ効果は覿面で漆を滴らせたような毛ヅヤを誇っている上に、伸縮自在といった身のこなしで更に洗練された。追走した追い切りの併せ馬では道中で鞍上が抑えるのに苦労したが、それは前回時同様で実戦に行けば容易く収まること請け合い。2勝目マークが7頭立てで低調な相手だった点には目を瞑れる。

柴田卓哉
柴田卓哉

バネの利いた小気味良い走りでここまで積み上げたキャリアにも頷けるのがラフターラインズ

特に、ラスト2週のパートナーには古馬3勝クラスを選んだ結果、その相手以上の時計と手応えのままゴールに飛び込んだように、2歳時からであれば格段にレベルを上げている。加えて、デビューからの4戦全てが上がり最速だし、それは牡馬相手のGⅢだったきさらぎ賞も同様で、その2月がタイム差なしだったから、限定戦なら力量上位。

しかし、今回は初の2000m。超スローだったとはいえ、マイルだった暮れでさえ、折り合いに苦心したのだ。オークスを見据えてのこととはいえ、今回の距離でスムーズに運べるか?

柴田卓哉
柴田卓哉

下馬評の低いグループから是非ピックUPしたいのがサムシングスイート

昨秋・福島でデビューした時点では目立つところなし。更に、実戦を重ねつつ力をつけた一方、稽古で鍛える暇がなかった。にも関わらず、3月には末脚に賭ける戦法から一転、早目に前を捕らえに行く競馬で2着以下に水を開けたのが示す通り、劇的なまでに幅を広げたのだ。

また、初勝利を挙げてリセットできた分、フレッシュな体に様変わりしたのが分かるし、実にダイナミックな動きで、軽目で終えても納得できるほどだった最終追いに至っても併せ馬敢行。そこでは、意図的にスパートを遅らせたゆえ、半馬身届かなかったが、最後までソラを使わせぬといったテーマに沿ったメニューで、より集中が高まること必至。心身共に充実がダイレクトに伝わってきた。

柴田卓哉
清水成駿の直弟子

柴田卓哉

調教 新馬

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙「1馬」在籍時には、「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。長年に渡ってトレセンに通い、今でも美浦スタンドで眼を光らせている。仕上がりを的確にジャッジする腕に、亡き清水成駿も厚い信頼を寄せていた調教の鬼。データが最も少なく難解な新馬戦を己の庭としており、世間が驚く穴の激走を仕留める。