【紫苑S】確かな成長でキャリア不足の懸念を一蹴!/課題を完全に克服しGⅠ獲りへ弾み!【セントウルS】
FILE:9/6(日) 中山11R
紫苑S(GⅡ)
前半1000mは61秒9。落ち着いた頭数で馬場が悪い中でもラップは12秒台をキープし続ける適度に締まったペース。3コーナー辺りで後続もジワッと押し上げて行く中、好位外にいたジッピーチューンの脚色が鈍り出す。
それをパスしたドリームコアが勢いを付けて直線抜け出しを図るが、後方から内の狭い所を割ったサムシングスイート、ドリームコアが抜け出してから外へ持ち出したマスターソアラの2頭が残り200m辺りから勢いよく伸び、最後は外のマスターソアラが半馬身抜けた所がゴール。②着サムシングスイート、③着ドリームコアまでが秋華賞の優先出走権を獲得した。
2月のクイーンC以来の実戦だったマスターソアラはプラス10キロと馬体が一回り成長。若さが目立った春から精神面でも成長が見えた。3列目のインで泥を被りながらの追走でも集中力を欠くことはなく、勝負所からの押し上げも非常にスムーズ。
隊列上の問題もあって追い出しは最後になったが、しっかり折り合えた分だけ脚も溜まっており、残り200mからのゴーサインで一気に前を飲み込んで見せた。まだ3戦目で距離も道悪も未知の状況下での完勝劇。負かした相手も加味すると、本番も期待させるだけの勝利というのは間違いない。
②着サムシングスイートはマスターソアラの更に後ろの位置から内々を突いての台頭。直線で狙ったナイスプレーアスクとリアライズルミナスの間はかなり狭く強引な進路取りにも見えたが、前半に温存した分だけ2頭に勢いで優り、馬体をぶつけながらも抜け出しに成功した。
流れが向き、直線で各馬が外目に広がった分だけロス無く運べた部分もあるが、混戦になりがちな京都内回りの本番に向けては良い予行練習とはなったか。世代レベルに疑問符が付いたまま本番が訪れそうな雰囲気もあり、豊富なキャリアと何でもできる自在性は案外侮れないかもしれない。
1番人気のドリームコアが③着。課題とされる右回りは無難にこなしたが、最後は脚が上がっての入線に見えた。ルメール騎手からは距離短縮がベターとのコメントも出たようだが、初めて走る特殊な馬場で人気を背負った身で正攻法の競馬をして0.3秒差③着なら上位2頭に力で劣ったとは思えない。良馬場なら違う結果も優に想像でき、距離に敗因を求めるのは個人的にはあまり賛同しないところだ。
2番人気リアライズルミナスは最終的には⑦着で入線。直線に向いて僅かに抵抗する場面はあったが、勢いよく割ってきたサムシングスイートに抗う余力は残っていなかった。
前走も押し切るかに思えた中でノドが苦しくなったとの話があり、今回は舌縛りなど対策を講じたとはいえ、電池が切れたかのような止まり方からすると、馬が最後の最後で苦しくなるのを覚えてしまっているのかも。個人的には、一旦しっかりと立て直す期間を設けた方が良い気がしている。
─次はココに注目!─
3人気10着
ジッピーチューン
ジッピーチューンにとって今回はチャレンジの意味合いも強かっただろう。思いのほか馬場が悪くなり本当の意味でチャレンジできたかは不透明だが、これまでに好走してきたクイーンCや桜花賞の内容は非常に中身が濃いもの。
初めて走るツーターンの2000mに雨まで加わっては、あまりにも条件が過酷だった。今回の大敗は参考外。距離短縮の走りやすい馬場で見直すべき馬である。
(執筆:久光匡治)
FILE:9/6(日) 阪神11R
セントウルS(GⅡ)
スタートで高松宮記念②着のレッドモンレーヴが大きく出遅れるアクシデントがあったがその他の馬はほぼ互角と言って良い発馬。最初にハナを奪ったのはフリッカージャブだったが、これを制してスピードの違いでピューロマジックが先頭。
その後も後続をグングンと引き離す逃げを打ったピューロマジックがそのまま押し切るかと思われたが、離された2番手で気分よく走れたフリッカージャブが直線でグイグイと迫りゴール寸前でキッチリと前をとらえて3連勝達成。
京都と小倉で連勝してきた馬で坂のある阪神に替わってどうかを懸念されたが、パワフルな走りで難なく克服。良馬場のスピード勝負になった事も大きなアドバンテージになった模様。
この後スプリンターズSに向かうのかは現時点では不明だが、管理する西園翔太師はスプリント路線に定評があった西園正都師の息子。父から引き継いだノウハウを存分に活かせれば、大仕事をこなしても不思議ない。
②着のピューロマジックは直線の入り口で5馬身近く後続を引き離すスピードの違いを見せたが、最後は坂が応えて失速。それでも阪神でここまで走れたのは現状の充実ぶりを証明するもの。
猛暑の夏場に2戦してその疲れも残さず走れたタフさは流石と言える走り。とにかくテンのスピードは日本で一番の馬で、上手く展開さえハマれば何処かで金星を挙げる可能性は十分。見逃せない存在である事は確かだろう。
③着には近2年のセントウルSで連続②着している5番人気ママコチャが入線。最内枠を上手く活かした武豊騎手の好騎乗が目立ったが、良馬場では前2頭とのスピードの違いを見せつけられた。
ただ7歳牝馬ながらまだまだ衰えは見せておらず、今日も馬体重がプラス10キロと去年と2キロ差の仕上がりとこの時期に調子を上げてくる馬であることは確か。3年前のスプリンターズSの覇者でもあり、次走に激走する可能性は秘めている。
3番人気の香港馬ファストネットワークは⑮着に大敗。馬体重の計測日が日本とは違うとは言え、マイナス28キロという大幅減は少なからず影響があった様子。立て直してからの復活を願いたい。
4番人気のダイヤモンドノットは良馬場の開幕週で一流のスプリンター相手では⑧着も仕方のない結果。ベストは1400mだがこの距離に慣れればそのうち通用しても良い素質馬。まだ3歳馬で今後は上昇あるのみと見た。
─次はココに注目!─
11人気9着
ヤブサメ
内有利で前が残る馬場コンディションのなか後方から直線は外に出して伸びており、力のある所は十分に示した。前走の朱鷺Sで大敗した後の中1週でこれだけの変わり身を見せた事にも正直驚かされた。
直前の追い切りがEコースでゲートからと変則的な調整だったが、結果的にこれが功を奏した様子。得意の京都に替わればアッと言わせる仕事をしても不思議はなく覚えておきたい。
(執筆:持木秀康)
二天一流ホースマン
久光匡治
YouTube
従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想スタイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、平岩、堀内、室井、和田郎)
栗東センバツ記者陣
関西トレセン捜査班
栗東トレセン所属の記者陣が合議の上、ここぞ!の推し馬をご紹介。斉藤祟、中内田などの厩舎ネタから追い切り抜群のメイチ馬まで、あらゆる角度からの情報を網羅する。
主要メンバー:加茂聡、桜井真人、持木秀康


