【マイルCS】連休の渋滞に泣いた一頭/終始窮屈な競馬に【東スポ杯2歳S】

【マイルCS】連休の渋滞に泣いた一頭/終始窮屈な競馬に【東スポ杯2歳S】

11/24 (月) 妙味解析!回顧ファイル #マイルCS

連休の渋滞に泣いた一頭

FILE:11/23(日)京都11R

マイルCS(GⅠ)

先週同様、土日共に快晴で行われた京都開催。

今週から芝コースはCコースに替わり、速い時計がマークされやすいコンディションにもなった。

各馬ほぼ互角のスタートからハナを奪ったのは内枠を利したトウシンマカオ。そのまま後続をジワジワ引き離し3コーナーの坂の頂上では5馬身以上のリードを奪った。

2番手にエルトンバローズ、好位の外にジャンタルマンタルと言った展開。直線に向いてあと1ハロンの手前で各馬を抜き去ったのがジャンタルマンタル。そのまま後続を引き離し、タイレコードで貫録の圧勝劇を演じた。

これで朝日杯FS~NHKマイルC~安田記念~マイルCSと出走できるマイルGⅠを完全制覇。残すは海外のみとなる勝利を手中に収めた。

直線で馬群の間を縫って伸びてきたガイアフォースが、ゴール前で2着に浮上。結果的に富士Sの1、2着馬が入れ替わる形で、同レースのレベルの高さが再確認できた。

中団の前目と、いつもより良いポジションで運んだ15番人気のウォーターリヒトが3着に激走。パドックではイレ込み気味だったが、裏を返せば良い頃の気配が戻ってきたと判断したい。

2番手で進めたエルトンバローズが5着に入線と、結果的に前にいた馬に有利に働く展開になった。

後方から唯一伸びて4着に入ったのがオフトレイル。スワンSをレコード勝ちした走りが伊達ではない事を証明した。

─次はココに注目!─
5人気12着
レーベンスティール

京都への輸送が連休の渋滞にハマり、想定より時間を要してしまったのが痛かった様子。

パドックではいつも以上にイレ込んでしまい、レースに行っても直線で伸びを欠く始末と、全く力を出し切れなかった一戦。

前向きな気性が売りのタイプで、この様な事態が大きな誤算になった事は間違いない。

今後はこの点をいかにクリアできるかが課題で、修正できた時には大きな舞台で活躍できる素質は持ち合わせている馬。陣営の努力に期待したい。

(執筆:持木秀康)

終始窮屈な競馬に

FILE:11/24(月)東京11R

東スポ2歳S

1番人気のダノンヒストリーが煽って出遅れる波乱のスタート。

内からテルヒコウが先手を取って600m通過35.9秒とゆったり入り、各馬が1馬身程度の間隔で続いていたことで、馬群は意外と縦長になった。

3コーナー過ぎからサレジオが外目を押し上げて行き、ここから全体がペースアップ。勝負はラスト800mの伸び比べになった。

残り400m。サレジオの真後ろから満を持して追い出したパントルナイーフが一気に加速して前を飲み込む構え。

更に後ろから脚を伸ばすゾロアストロも猛追し、最内からはライヒスアドラーも良い脚で伸びてきたが、最後はパントルナイーフがアタマ差凌ぎ切って1着。

2着にゾロアストロ、3着はライヒスアドラーが続いた。

パントルナイーフはデビューから3戦全て1800mを使われてきたが、走ったのは新潟、中山、東京とすべて違う競馬場。

今回も直線に入って各馬が懸命に追う中でもしばらく馬なりで、最後にゴーサインが出たほど余裕があった。総合力の高さを示す勝利と言えるだろう。

2着ゾロアストロは前走からの200m距離が延び、ペースが残り800mから上がり出したのも長く脚が使える自身の特性にピタリ。上がり3Fはメンバー最速で、脚色からすればまだまだ伸びそうな感もあり、距離はさらに伸びても良さそうだ。

1番人気のダノンヒストリーは、出遅れたにしても最後の伸びは物足りない。新馬戦の内容からすれば力負けとは考えづらく、ピリッとしなかった最終追いからすると、状態面が本物でなかった感が強い。

─次はココに注目!─
2人気3着
ライヒスアドラー

3~4コーナー中間で外へ持ち出そうとしてローベルクランツと何度も馬体を接触したうえ、結局は進路を取り切れず一列下げることに。

直線では1頭分あるか無いかの内ラチ沿いを選択するしかなく、同じ進路を狙ったラストスマイル、更には逃げ粘るテルヒコウとも馬体が当たる場面があった。

新馬戦では、ラスト2F10.8秒-10.9秒の高速ラップを突き抜けた逸材。まともなら何とかなった感が強く、上位2頭に劣らぬ評価をしておきたい。

(執筆:久光匡治)

関西トレ
優馬1面の名奉行 優馬

持木秀康

栗東 調教

栗東の調教班に所属。優馬の1面にてコラム「オフコース 持論(もちろん!)」を掲載、2016年天皇賞・春にてカレンミロティック(13番人気2着)に単独◎を打ったことは現在でも語り草。推し馬サロンでは関西トレセン捜査班にて予想を提供。

久光匡治
二天一流ホースマン

久光匡治

調教 取材 美浦
スプSGI的中
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従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想スタイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、根本、堀内、和田郎)