【中山芝】
■晴れ・良でも土曜は内外互角・先行差し互角→日曜日はやや外差し有利に
《Cコースの2週目(5・6日目)》
先週の日曜日は京都が午後から本降りになってしまったのに対して、中山は10Rあたりから小雨が降ったものの、雨量は少なめだった。日曜日の馬場発表は最後まで良のままで、やや大きめの馬番が多めに上位にきたものの、直線は内めも伸びていた。時計は土・日ともほぼタイム差なしだった。
今週の火曜日以降晴れた。また今週は全国的に大雪が心配される中、南関東は日本アルプスが雪雲を遮って土日とも晴れ・良で競馬できそう。
先週の競馬による芝の傷みは軽めだったが、今週は晴れるといっても気温も低いし、路盤が乾いているイメージはない。毎朝霜が降り、ところにより霜柱も立っているはずなので、芝・路盤ともにかなり軟らかく傷みやすい状態になっている。1日使われる毎に内の傷みが蓄積していく。タイム差なし~0.5秒前後遅い時計を想定する。土曜は内外互角・先行差し互角、日曜日はやや外差し有利にシフトすると見る。
【中山ダート】
■乾き気味の力の要るダート。やや外有利、やや先行有利
先週は10日以上雨が降ってない状態で週末を迎え、日曜日は雨が降る前にダートの番組を終えた。したがってこの時期としてはかなり乾いた状態だった。時計は土曜日が0.3秒前後速く、日曜日が0.2秒前後遅かった。
先週日曜日のダート戦を終えて以降、日曜日に22.5ミリ、月曜日に11ミリ降って、その後4日間晴れが続いたが、気温が低いので地面から水分が逃げていかず、金曜正午の馬場発表は「稍重」だった。気温は土日にかけてさらに低くなるわけだから、今後の馬場発表が良になったとしても、それは限りなく稍重に近い良と考えてよさそうだ。
ダートは3場とも今週凍結防止剤をまいた。凍結防止剤をまいたときの砂の物性の変化については諸説あるものの、時計がかかるようになることはたしか。まいた直後よりも何度もハローをかけているうちに少しずつ遅くなっていく。個人的にはこれは『納豆に塩を入れてかき混ぜているうちに粘りが強くなっていく』のと同じような現象だと考えている。
土曜日は稍重~良で0.3秒前後遅い時計を想定する。日曜日は良で0.8秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、やや外有利。
【京都芝】
■向正面で強い向かい風が吹きそう。内~中がやや有利、先行有利
《Aコースの2週目(4・5日目)》
先週は10日以上雨が降らずに週末を迎え、土曜日は乾燥気味の芝で0.3秒前後速かった。だが日曜日は芝の1時頃から雨が強くなり、2ミリ前後の本降りのまま最後まで降り続き、芝のレースはいずれも雨の中で行われた。馬場発表が5R良、8・10Rが稍重、11・12Rが重と移り変わるにつれて、時計も少しずつかかるようになっていった。6Rは1.5秒前後遅く、最終的には3.5秒以上遅くなった。
今週は月曜日以降降ってない。土曜日は大雪が降る可能性もあったが、14日午前の段階では晴れて通常通りの開催ができるようだ。ただし昼ぐらいから雪になる可能性もあるし、日曜日に雪が降る可能性もある。いろいろな可能性はあるが、とりあえずここでは土日とも晴れまたは曇りで、雪が降ったとしても少量で、通常通り競馬が行われるものと想定する。
雪以外に忘れてはならないのは強い西風が吹くと想定されること。京都競馬場のゴール前直線ではそれは追い風になる。ゴール前では前を行く馬への支援になるものの、向う正面では向かい風になる。逃げ馬より、逃げ馬を風よけにできる先行馬にとっての好条件のようだ。
先週の競馬で最内の芝がかなり傷んだが、昨年の5回開催でCコースもかなり傷んでいるので、内から3m~6mのBコース部分の芝がもっともいいことになる。普通ならそこを通れるのは先行馬だし、先行馬を推す条件は揃っている。やや傷み気味の芝で、気温から含水もある程度見込めることから、1秒前後遅い時計を想定する。内~中がやや有利、先行有利。
【京都ダート】
■凍結防止剤入りで力の要るダート。直線追い風影響あり。やや内有利、先行有利
先週は10日以上雨が降らずに週末を迎えた。土曜日はずっと良馬場だったが、日曜日は午前中は小雨で良、午後に少し雨が強くなり、馬場発表も稍重に変わった。だが本降りになる前にダートは番組を終えたので、それほど時計は速くならなかった。というより遅くなった。
土曜日は0.6秒前後速かったが、日曜は0.2秒前後遅かった。稍重になって逆に時計が遅くなったのは、土曜より日曜の出走馬のレベルが低かった可能性もあるが、土曜日の朝に気温が氷点下まで下がったので、金曜夜の時点で凍結防止剤をまいた可能性がある。
京都も今週から凍結防止剤入りのダートになる。金曜日正午の時点で「稍重」で水分が残っていることがはっきりしているので、凍結防止剤の効果が出やすく、最初から時計がかかると考えられる。0.5秒前後遅い時計を想定する。また今週は強い西風が吹きそう。芝と違ってダートは砂が飛ぶので、先行馬の有利が少し減る。逃げ・先行有利、やや内有利。
【中京芝】
■芝は上々もゴール前が向かい風。速い上りは不要でスタミナ・パワー重視
《Bコース1週目》
昨年暮れの4回中京はAコースで6日間開催されたが、野芝中心の管理に切り替えたこと、および天候に恵まれたことで例年より芝の傷みが少なかった。最終的に傷みが目立ったのは内柵沿いの部分だったが、Bコース移動により芝はほぼ一新されたと考えていい。
名古屋は琵琶湖を挟んで日本海とつながっているため、地形的に冬の北西からの風を遮るものがない。そのため冬に気温が下がりやすく、雪も降りやすい。ただし今回は風向きの関係で競馬場のところまで雪雲が届かず、雪は降らなさそう。降っても少量の雪でとどまり、土日とも良で競馬できるケースを想定する。芝の傷みは少なく、他場に比べると多少硬めの作りの開幕馬場で、1.5秒前後速い時計を想定する。
京都と同様に強い西風が予想されるが、京都とは回りが逆なので、向う正面で追い風、ゴール前直線で向かい風になると考えられる。レースのペースが通常より速くなりやすい上に、ゴール前で向かい風になれば上がりが遅くなるわけだから、逃げ馬よりは差し馬に有利な状況になる。
ただし速い上がりは不要で、バテなさが持ち味の他力本願型の差し馬が狙い目になる。脚質自体よりもむしろ馬のパワー・スタミナ面に目を向けたほうが正解にたどり着きやすいかもしれない。
【中京ダート】
■凍結防止剤入りの力の要るダートに加えてゴール前で向かい風。スタミナ・パワー重視
中京は月曜日以来雨が降っていない。金曜日に凍結防止剤をまいたので、馬場発表はどうあれやや重めのダートになるはず。良で1.5秒程度遅い時計を想定する。スタミナ・パワー重視で、他力本願型の差し馬が狙い目。やや外有利、やや差し有利。
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。