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競馬コラム

心地好い居酒屋

2022年07月27日(水)更新

心地好い居酒屋:第121話

「とのさんよ~。<虎は死して皮を留め、人は死して名を残す>って言葉があるけど安倍はどうかね?」


猛暑と感染激増に見舞われた25日の月曜日。遠野が親爺に電話「さすがにキツい。今日は休むわ」と連絡を入れると「当たり前だろ。俺の方から言おうと思ってたところだ。処方箋は電話での問診で郵送して貰えるんだから、無理しないでじっとしておきなよ」と労ってくれた後に出た言葉が“とのさんよ~。”だ。


そういえば安倍が教団じゃなく凶弾に倒れた後、親爺と会うことはむろん、ジックリ話す機会はなかった。


「そうだなぁ。<安倍は死して物議を醸す>じゃないか」「なるほど。普段は“しっかりしっかり”“慎重に検討します”で結論を出し切れなかった岸田が『国葬』だけは瞬時のうちに決めたもんな。国会議員はともかく、自民党支持が多い市場の連中だって懐疑的になってるし、そりゃあ揉めるわな」


「岸田にすりゃあ『国葬』にすることで安倍派を取り込もうとしたんだろうが、思惑通りに進むかどうか…。<虎を養いて自ら災いを残す>という諺もあるしな」「…………」。反応がない。


「簡単にいえば、サルの浅知恵みたいなもんだ。名案だと思い余計なことをしたおかげで、かえって損をすることの例えだよ」。親爺だと思っていることを遠慮なく喋れるし、親爺もそれを“諾”とするから話していて楽しい。


電話の向こうは沈黙だが、うんうんと頷く親爺の姿が想像できる。案の定「あれだな。『仁義なき戦い』の(金子信雄扮する)山守か(田中邦衛)槇原と同じで小狡い考えは墓穴を掘るかもってことか」


「まぁな。安倍の親爺が死んだ後、当時の大物・金丸信が『安倍派は“馬糞の川流れ”だな』と言ってたが、岸田にすれば川に落ちた馬糞がバラバラになるのを見越して<私は安倍さんを、こんなに信奉してます>とアピール、自分の味方にしたかったんじゃない?あ、“川流れ”の話は直接じゃなく秘書仲間から聞いた話だからな」


一応、断わりを入れ水をゴクリと。「<虎の威を借りていた狐>を金子狸が飲み込もうという魂胆だっったわけだな」。ゴクリの音が聞こえたのか。親爺も洒脱だ。


「その岸田狸もまさか安倍や自民党の連中が『統一教会』とここまで深く関わっていたとは夢想だにしなかったんじゃないか。“皆んなで渡れば怖くない”で最近はテレビも報道するようになったが、岸田も『統一教会』との関係を再検証、拙速の『国葬』も考え直す必要があると思うぞ」


国会より閣議の方が上位で黒を白と言いくるめるのが得意な自民党政権。理由はどうとでも付けられる。“過ちを改めざる これを過ちという”。「俺は『自民党葬』で十分だと思う。変更するなら早い方がいい」。


「でもよ~。いつもとのさんが怒ってる通りでNHKの情報操作と世論誘導は凄いなぁ。安倍が撃たれた1週間後の15日。昼のニュースで献花の行列を映し、その中で二人の声を紹介したのだが、40代ぐらいの女性は『日本のために尽力いただきありがとうございました』で10代とおぼしき男は『1番長い政権を持たれた方であり、国葬するにふさわしい』と。何の質問があったわけでもないのにこれだよ。雨の中、自民党本部にきて献花するぐらいだから『“モリカケ桜”はどうなるんでしょうか?』なんて言う奴は居ねぇってんだ」


喋ってるウチに当時を思い出したのか声を荒らげた。


「ふっ。そんなもんだよ。もっとも、どこのテレビ局だってインタビューなんて番組の趣旨に沿った声を選んで編集してるけどな」


それにしても親爺の記憶は大したもの。さすが「太平記」の序文“祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり………。”を諳んじているだけのことはある。


直近で「頑鉄」に顔を出したのは「宝塚記念」」直後の6月27日。その時、親爺が「昨日もえらく人が入っていたし、観光客も増えてくるんだろ。本当に大丈夫かいな」と言い遠野が「ここんとこ前週の曜日で見ても増加傾向にあるからなぁ。油断はできん」。お互いに感染増大を危惧したものだが、果たせるかなの激増ぶり。これとてメディアの“右に倣え”で行政の意向を汲んだ報道の結果でもある。


「ひと月ぐらい前だったかTBSの『Nスタ』では一日2,000人ぐらいが、同じ曜日で2,300人程度に増えた時には『1400万都市東京で200人~300人の増加がどんな意味を持つのでしょうか』なんてキャスターがほざいてたし“TBSよ!お前もか!”だな」。親爺の記憶だから、まず間違いないだろう。


「テレビなんてのに期待するのはもはや化石人種。役に立つのは速報ぐらいなもんで、昨日の桜島の噴火にはビックリ。さっき京子ちゃんにメールで様子を聞いたら有村さんち(完庶処)の施設や田畑は今のところ問題ないとか。こんな時は便利だな」「あ、とのさんも確認したんだ。俺はメールできないから、おまさちゃん経由で聞いたよ。さすがに電話で直接訊く訳にはいかんし」


気遣いと配慮が素晴らしく、頭の回転は早いし親爺との会話は酒なしでも進む。年も年だし「清茶淡話」の境遇も悪くはない。


「そうだ。昨日は横ちゃんと一緒にテレビ観戦だったが、とのさんの恐れたことが起きたなぁ」「福島の5R?」「とのさんも観てたんだ?」「新馬は比較的な」「4コーナーのブン回しはともかくG前は“審議”だろ。普通なら。それが『直線で⑨番と⑫番の進路が狭くなる事象がありました。この件については、後ほどパトロールフィルムを放映します』でチョンだもんな。それでいて木幡初は2日間の騎乗停止。騎手もファンも黙ってお上の言う事を聞け!ってか」「昔は審議等に関しては競馬会に注文つけるメディアもあったが、それも今は昔。取材章と広告でがんじがらめで、それに3場開催だと間隔が短いだろ。審議で確定が遅れると次のレースを買う時間がなくなっちゃうしな。該当レースの配当を頼りにしてる奴には“早く確定しろ”って訳だ。深読みかも知れんがな」


「う~ん。確かに…。そんな裏事情もありかぁ」知らぬが仏。死んだら仏――。


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源田威一郎

GENDA ICHIRO

大学卒業後、専門紙、国会議員秘書を経て夕刊紙に勤務。競馬、麻雀等、ギャンブル面や娯楽部門を担当し、後にそれら担当部門の編集局長を務める。
斬新な取材方法、革新的な紙面造りの陣頭指揮をとり、競馬・娯楽ファン、関係マスコミに多大な影響を与えた。
競馬JAPANの主宰・清水成駿とは35年来の付き合い、馬主、調教師をはじめ懇意にする関係者も数多い。一線を退いた現在も、彼の豊富な人脈、鋭い見識を頼り、アドバイスを求める関係者は後を絶たない。

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