連続GⅠシリーズのラス前になる安田記念は、層の厚いカテゴリーらしく目移りするようなメンバーに。
そして、目下のレーティングが示す通り、ソウルラッシュが全体のレベルを引き上げている。
特に、昨秋に初GⅠをゲットして以降、高みを目指した結果、ドバイでは強敵を見事に差し切ったのだから掛け値なしで、もう絶対王者と捉えて良いのでは。
問題は海外遠征直後といった点だが、CWでの併せ馬では1F10.5秒の速さでそれが2週連続だった上に、直前の坂路でさえ11月を上回る52.3秒での締めならば不安なし。
未だに勝ち星がない府中でも、不利が続いた4歳時からの当レースと異なり、昨年にはスムーズさが増して0.1秒差。直線がフラットな京都ほど盤石ではないが、経験が実になっている晩成型といった点で相殺されて然るべき。
世代交代を担うのが4歳ジャンタルマンタル。
何せ、国内でのマイルは3戦3勝で既にビッグタイトルを2度も獲得と非凡であることは間違いない。
暮れの香港は大敗で、同じように殴り込みをかけたソウルラッシュには離されたものの、秋の熱発でプラン通りに歩めなかったし、その影響で満足に調教を積めなかった。それとは対照的に、立て直した今回は坂路50.1秒の自己ベストまであるのだから、暮れの成績は塗り潰して考えるべき。
けれども、NHKマイルカップで後続を寄せつけなかった事実がある反面、そこは4F目から12秒台が続いたことで優位に進められた。つまり、直線に入って後ろがゴチャつく中、我関せずの態勢に持ち込めたからこそ。センスには一目置く一方、レース勘が戻っているかという問題がある分、1Fを切っての攻防が激しくなりがちな当レースで凌ぎ切れるかといった不安も。
同じ世代のシックスペンスは底知れぬ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。