開催替わりとはいえ、スタートしてまだ3週といった新潟の芝はやはり高速ターフ。つまり、メインの関屋記念で問われるのは、底力より時計の裏づけと極めて軽い馬場にマッチする特性。
まず秤にかけるべきがパラレルヴィジョンなのは言うまでもなかろう。
ダートに色目を使った時期を経て、マイルに照準を合わせた年明けからの連勝で既にGⅢには手が届いているから。
13着と見せ場なく終わった安田記念は、相手が百戦錬磨だったことから経験不足が祟ったと総括して良い。ここからの再出発は理に適っているし、負荷をかけた1週前を含め、ラストはいずれも楽々と11秒台でさすがの推進力とデキは文句なし。
問題は、当カテゴリーで強さを見せつけたのがいずれも中山で、速い上がりで決着すること必至の新潟がどうか?◎までには至らぬといった評価に。
56.5キロを克服して3歳冬以来の勝ち星を挙げた直後なのがプレサージュリフト。
手薄なリステッド競走だったとはいえ、詰めの甘さを一掃しかたのような捻じ伏せ方は着差以上として良い。
木村厩舎らしく、正面からウッド入りしての長目追いがあって、その相手ジオグリフ以上の時計だった1週前、3頭併せの真ん中で実にシャープな身のこなしだった追い切り共々、前走以上に手応えを掴んでいる模様。初になる新潟が合うイメージだし、前走からの斤量減も追い風にできる。
それでも、美浦勢の中では3歳ロジリオンを最右翼としたい。
≫ 続きはログイン内で
柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。