皐月賞への最終関門といった位置づけとなるスプリングステークス。
この3歳牡馬路線、共同通信杯以外のレベルには疑問符がついている現状で、勢力図が未だに曖昧といった中、注目株はやはり2戦2勝のシックスペンス。
9月デビューで無理使いを避けたが為、成長余地を大きく残している。しかも、これまでが番手のポジションを取るレース運びと、持って生まれたセンスに溢れている。つまり、1F延長やコーナー4回で戸惑うこともない下地をそなえているわけ。
そして、青写真通りにレベルをアップさせるほどゆとりのある過程ゆえ、体の運びがよりスムーズになっての推進力が目を惹いた1週前のDW。暮れ同様、直前が坂路で同じく52秒台と寸分違わぬパターンでの臨戦となれば、相手強化も何のその。
同じく無傷でここに歩を進めてきたのが木村厩舎のスティンガーグラス。
先に抜け出した2着馬を目標に、追えば追うほど伸びる様を見せつけて着差以上の強さだったのが前走。
しかし、前半で前がやり合う中、コースロスなしのポケットにあって結果的には消耗なく運べたのが大きく、まだトモの薄い印象が強く残る段階。現に、先週の長目追いでは同世代の牝馬に対して参ったといったゴール前だったし、芝で感触を確かめる程度だった追い切りも少々迫力を欠いた。経験不足を露呈しそう。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。