早くも最終週となる中山のメインは、GⅡのアメリカジョッキークラブカップ。
レースの立ち位置としては微妙で、新旧が入り混じったことでも能力比較が少々難しくなっている。とはいえ、当カテゴリーでの安定勢力になるボッケリーニには相応の敬意を払うべきだろう。
なぜなら、GⅠでは既に多くを望めぬ8歳馬ということで活躍の場が限定されている分、狙い処も明確だから。
現に、秋の2戦は狭い内を割って出た結果の惜敗で円熟の域に達したと思わせたし、中山に関しても、別定GⅡの日経賞2着が2度、一昨年の当レースが3着と適性に問題なし。
また、CWでの併せ2本がいずれも遅れながら、1週前には速い時計で負荷をかけられた。プラン通りだった直前の終い重点が仕上げに寸分の狂いがないことの証に。
7歳のラスト2戦が2、3着とレベル落ちを微塵も感じさせぬマイネルウィルトスも俎上に載せるべき。
しかも、脚部不安による長期ブランク明けが昨夏といった点から、使いつつの良化を見越せる段階なのだから、ここ2走を素直に受け止めるべき。
もっとも、少しでも流れに乗れぬと京都大賞典のような凡走があるし、出世のきっかけを問うてもローカルが主戦場になるのでは。GⅡでの連対確保にしてもあくまでハンデ戦。対ボッケリーニといった点では分が悪くなる。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。