3歳牝馬三冠の掉尾を飾る秋華賞は、春の上位陣が顔を揃えた故、当然ながらGⅠに相応しい争いに。
その中、まず取り上げるべきは、5月に桜花賞からの鮮やかな変り身を見せてビッグタイトルを手にしたチェルヴィニア。
今季初戦の敗因は右回りというより、忙しい距離でリズムに乗れなかった上に、デキも本物でなかったが為。従って、内回りで多少追走に無理が生じたとしても2000mであれば持ち味を出せるとするべき。
何より、外厩で仕上げを進めたオークス時と異なり、早目の美浦入りが成長度合いを物語っているのに加え、実際に見た目からしてよりバランスに秀でている。それは、正面から行く長目追いが3週連続に上ったし、定石通りの3頭併せで真ん中から矢のような伸びで締められたように、春を上回るのは火を見るよりも明らか。二冠ゲットに待ったなし。
オークスではチェルヴィニアと紙一重だったステレンボッシュが世代トップを窺えるのは間違いないところ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。