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競馬コラム

樋野竜司:今週の政治騎手

2025年06月06日(金)更新

【北村友一騎手】ファンのジャッジも後押し



先週行われた日本ダービーは、1番人気に支持されたクロワデュノールが堂々の勝利。春二冠こそならなかったものの、現時点での世代最強馬が順当に頂点に立つ形となりました。

興味深いのは、皐月賞で敗れたクロワデュノールがここで1番人気に支持されたという点。
1986年以降、皐月賞敗退後にダービーで1番人気となった馬の成績は【5-2-1-4】。単勝回収率109%、複勝回収率87%と、数字の上でも「信頼に値する」人気だったといえます。

一方、皐月賞を制したミュージアムマイルは2番人気止まりで、結果は6着。
過去データを振り返ると、皐月賞馬でありながらダービーで1番人気にならなかった馬の成績は【1-2-2-14】。こちらは単勝回収率71%、複勝回収率63%と、やや物足りない数字に。唯一勝ったのは、「1番人気はいらない、1着が欲しい」の名言で知られるサニーブライアンのみ。
つまり、ファンが「正しいジャッジ」を下せたかどうかは、ダービーという舞台において想像以上に重要なファクターなのです。

では、なぜクロワデュノールが勝てたのか。

皐月賞は、道中で多くの接触や不利が発生したレースでした。1コーナー、そして向正面でのごちゃつきにより、上位入線馬のほとんどが何らかの不利を受けており、「どの不利が最も痛かったのか」が、今年のダービー予想をより難しくさせていました。

ただ、筆者の視点は「不利の質」ではなく、「レースの流れ」にありました。

皐月賞では、ファウストラーゼンが向正面でマクリを打ち、レースのペースが一気に上がりました。これにより後続勢も早めにスイッチを入れざるを得なくなり、結果的に「早仕掛けの前崩れ」へと展開が傾きました。
そんな中で、人気を背負いながらも早めに前を捕まえに動いたのがクロワデュノール。最も「痛い不利」は、馬群の中での接触ではなく、この「無理やり早めに動かされる流れ」だったと、筆者は見ていました。

そう考えれば、ダービーという舞台で改めて「自分のリズム」で競馬ができる展開になれば、クロワデュノールのポテンシャルが存分に発揮されると判断し、迷わず本命に。そしてその読み通り、最後の直線での伸び脚は一枚も二枚も上でした。

今年のダービーは、単なる人気馬の順当勝ちではなく、「なぜその馬が人気なのか」を深く掘り下げたファンの判断が的中した一戦でした。データと展開を重ねて見立てることの重要性を、改めて実感させられるレースでもありました。

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樋野竜司

HINO RYUJI

1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。

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