先週の桜花賞では、モレイラ騎手が騎乗したエンブロイダリーが勝利しました。
前走クイーンカップを1.32.2秒という好時計で勝利していたものの、雨で渋った馬場だと持ち前のスピードが活かせないと懸念されたのか、単勝3番人気とやや評価を落としての出走。しかし、その不安は杞憂に終わり、持ち前のスピードと瞬発力を発揮して、見事にGⅠタイトルを手にしました。
ここでは、その桜花賞で3着だったリンクスティップとデムーロ騎手のコンビに注目したいと思います。
道中離れた最後方からの競馬になり、残り800mからマクり気味に進出。この馬には雨で渋った外伸び馬場になったのはプラスだったと思うのですが、さすがにこの仕掛けで突き抜けるのは難しいところ。3着まで押し上げるのが精一杯でした。
もともと1600mを走るのは初めてで、初のマイルの流れにどう対応するのか不安もあっただけに、やはり距離も忙しかったのかもしれません。
レースを詳しく見ると、リンクスティップはスタート直後に外の馬にぶつけられて勢いを削がれてしまい、その影響で前の馬と離されてしまいました。しかし、好スタートを決めていればぶつけられ勢いが削がれることもなかったと思うので、スタートの遅さが敗因なのは間違いありません。
とはいえ、次走のオークスでは距離延長に加えて、東京の広くて直線の長いコースもプラスに働く可能性があります。クラシック第二戦での飛躍が楽しみになる、そんな走りを見せてくれました。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。