今年の有馬記念は横山武騎手の誕生日(12月22日)に行われます。
横山武騎手の生後5日目に行われた98年の有馬記念で、父の横山典騎手はセイウンスカイに騎乗し4着という結果でした。
筆者が強烈に覚えているセイウンスカイの思い出というと、皐月賞を勝ったときの勝利ジョッキーインタビューで横山典騎手が語った「いつもいつも武豊じゃ面白くないでしょ」というコメントです。
当時の武豊騎手は、今のルメール騎手のように毎週のようにGⅠを勝っていました。この皐月賞でも単勝1.8倍のスペシャルウィークに騎乗しており、それを負かして勝ったことから、先のコメントとなったのです。
そして、当時ここまで強烈に意識していたライバルの名前から一文字を貰って、その年に生まれた息子につけたのではないかと想像してしまいます。
先週の菊花賞で、横山典騎手は1番人気のダノンデサイルで挑みました。
インの好位の絶好ポジションを獲ることができたように見えたのですが、スローな流れで折り合いを欠く馬が続出。かと思えば、バテて下がってくる馬もいて、出入りが激しくラップの増減も激しいレースになってしまいました。
インで動くに動けず、1週目の4コーナーを3番手で通過したのですが、2週目の4コーナーは15番手と最後方に近いポジションになってしまいました。そこから盛り返して6着まで来ているのですが、不運な競馬になってしまいました。
ダノンデサイルの次走はどこになるかわかりませんが、有馬記念に出走して雪辱を果たしたときには、勝利ジョッキーインタビューでタイトルにあるコメントをして欲しいと思います。
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樋野竜司
HINO RYUJI
1973年生まれ。「競馬最強の法則」02年11月号巻頭特集「TVパドック馬券術」でデビュー。
斬新な馬券術を次々に発表している人気競馬ライター。いち早く騎手の「政治力」に着目し、馬券術にまで洗練させた話題作「政治騎手(㏍ベストセラーズ刊)」で競馬サークルに衝撃を与えている。