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競馬コラム

心地好い居酒屋

2018年11月14日(水)更新

心地好い居酒屋:第56話

「突然で悪いね。さっき横ちゃんから電話があって『今日、自分は5時チョイ過ぎには行きますのでよろしく』と言ってきたんだが、皆が揃う前にとのさんと競馬の話をしたいんじゃないのかなぁ~。もし良かったら早めに顔を出してくれれば喜ぶと思うんだけど…」

 時計に目を遣ると2時半だ。ランチタイムが終わったのだろう。「頑鉄」の親爺が、いかにも申し訳なさそうな感じで連絡をしてきた。横山の“意”を察したようだ。相変わらずの気配りと善人ぶりではある。 。

「俺は構わないよ」ということで、遠野が5時過ぎに着くと、すでに横山は到着。指定席で親爺と話し込んでいた。前には焙じ茶と沢庵があるだけ。「よぉ!随分早いな」と後ろから声をかけると二人して驚いたように振り向いた。よほど話に夢中だったようだ。横山はすかさず立ち上がり「今日はご無理言って申し訳ありません」。深々と頭を下げた。「なぁ~んも。気にすんな。暇だけはあるだべさ」。緊張感をほぐすように下手な北海道弁を交えながら座るよう指示した。

親爺は立ち上がり、板場に行くと熱燗と小鉢を持って戻ってきた。「とりあえずポテサラ食っといて。今、鮴(ごり)の唐揚げと銀杏をやってるから」と言い座り込むと遠野と横山に酌をする。慌てて横山が親爺に「どうぞ」と徳利を持ち上げた。

「で、何の話してたの」。遠野が訊くと「いえね。先週の競馬では外国人ジョッキーの活躍というか傍若無人ぶりに腹が立って…」。遠野は<ふんふん>てな感じで箸を動かし酒を飲みながら先を促す。「確かに巧いんでしょ。だから勝つんだけど乱暴と思いません?」「乱暴だから勝つとも言えるな」。遠野が理解してみせると“我が意を得たり”とばかりに身を乗り出し「『エ女王杯』のリスグラシュー報道はどこもかしこも『モレイラだから勝った。絶妙な手綱裁き』と絶賛してますが、急斜行してなければ勝ったかどうか。あのおかげでカンタービレは一瞬引きましたし、まともなら③着はあったんじゃないかと。現にモレイラは5万円の過怠金を課せられているのですから…」。

興奮気味に話すと、少し落ち着いたのかやっと酒を口にした。「へぇそうなんだ。そんなことテレビでは言ってなかったぞ。まぁどっちにしろ、あいつらにすれば5万円の過怠金なんて屁みたいなもんだろ」と親爺が言い放ち料理を取りに行った。これが審議にでもなっていれば親爺も気付いたかも知れないが、普通の競馬ファンはそこまでは知らない。

「それに東京の6Rオノドヒューも5万円でしょ」「しかも、その2例はいずれも馬主は“ノーザン系”」と遠野が応じると「そこなんですよ!問題は。外国人ジョッキーも以心伝心でオーナーが“是非勝ちたい”レースを心得ていてガムシャラに乗る-。結果、乱暴な騎乗にも繋がるんだと思います」。

「ま、だからといって現時点ではどうなるものでもないし、そんな背景も考え、読者に説明もして当たる予想を提供するのが横山君たちの仕事だろ。別に“社台グループ”の悪口を書く訳じゃないから梯も金山も文句は言わんだろ」。そんな遠野との会話が聞こえていたのかどうか、お通しと徳利を運んできた親爺が言った。「横ちゃんさあ、いつも言う清水さんなんて分かりやすくて面白く、そして当たる予想をしてたんだからな。悔しがるだけじゃなくいい記事頼むよ」。

「なぁ~んだ。俺が来るまで昨日の『エ女王杯』のことで泣きを入れてたのか」。遠野がつまんなさそうに鮴の唐揚げを摘まんだ。一噛みした途端ジワッと脂が滲み出し「旨い」と。そして新しい熱燗を一飲み。人間、美味しいもの食べれば機嫌も良くなる。たまには話を聞いてやるのも功徳の一つで「だから、愚痴ってたのか。さっきからの話からしてカンタービレの3連複か3連単を買ってたみたいだな」「その通りです。⑥着とはいえ③着との差は0秒1。あの不利が致命傷になりました。それに…」と言って猪口を口に運び、グイと一飲み。酒の勢いを借りるようだ。

「カンタービレ狙いには伏線がありまして。ほら『秋華賞』の②③着馬が三嶋牧場の生産馬だったでしょ。今の生産界で、ホンの少しでも“社台”に食い込めるとしたら三嶋さんのグループと聞いていたものですから、今回も三嶋牧場の生産馬をと」「なるほど。判官贔屓ってことか」遠野が頷きながら続けた。「三嶋さんのグループ…。確か『三愛会』という名前で親睦を図っているとか。今後もうまくいって発展して行ってくれればいいんだけどな」。やや含みを持たせた遠野の言葉に「遠野さんは『三愛会』をご存じで?」。ビックリの表情で訊いてきた。親爺は<とのさんの情報の豊富さに、また驚いてやがる>って感じでニヤニヤしている。

「話すと長くなるから省略するぞ」と念を押し、横山に語りかけた。「要するに“メイショウさん”にお世話になっている牧場の人達の会でな。その中心に居るのが三嶋さんってことだな」。横山にすれば、もっと深い話を期待していたのか、遠野が話を切って銀杏を摘まみ、酒を飲むと、<その位は知ってます>の顔付きで横山は鮴に箸を付けた。落胆気味だ。 「元はと言えば“メイショウさん”と邦ちゃん先生が同い年で昔から懇意にしていたのが始まり。気の合った調教師さんも何人かいて浦河の町と牧場が好きになったらしい。ま、お互いの人柄だな」と言うと、横山は急に目を輝かせ、続きを聞く態勢に入った。

「ほら、前にも言った牧場回りとビールの一件もその頃の事だよ。そうそう武田博調教師も仲間でな」まで言った時、ドアが開き井尻以下がやってきた。

「武田博調教師てのは文吾先生の息子さんでな。いずれにせよ話の続きは改めて。もちろん横山君に興味があればのことだが…」「よろしくお願いします」。横山が頭を下げたのを見つけた梶谷が挨拶もそこそこに「あらっ。お馬さんの話は終わりましたか」と茶化しながら遠野の隣に腰を下ろし「今週も(馬券)買うのなら乗ろうかな」「いや。そうそう買ってられないし、来週の『ジャパンC』にしよう」「もう決めてるんですか」「まぁね。ホラ、この間お雅ちゃんが『終わったレースの事は言わないの』と横山君に説教していた『秋華賞』を勝った馬と、後は外国人ジョッキーの乗る馬かな。な、横山君!」。話を振られた横山は「ええ、まあ」で競馬の話はチョンとなった。 

源田威一郎

GENDA ICHIRO

大学卒業後、専門紙、国会議員秘書を経て夕刊紙に勤務。競馬、麻雀等、ギャンブル面や娯楽部門を担当し、後にそれら担当部門の編集局長を務める。
斬新な取材方法、革新的な紙面造りの陣頭指揮をとり、競馬・娯楽ファン、関係マスコミに多大な影響を与えた。
競馬JAPANの主宰・清水成駿とは35年来の付き合い、馬主、調教師をはじめ懇意にする関係者も数多い。一線を退いた現在も、彼の豊富な人脈、鋭い見識を頼り、アドバイスを求める関係者は後を絶たない。

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