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競馬コラム

心地好い居酒屋

2018年05月06日(日)更新

心地好い居酒屋:第42話

大型連休に入る直前の金曜日(4月27日)、一杯やりながら南北会談や次官辞任のニュースやらを、テレビで見聞きしている時に携帯が鳴った。見ると井尻からだ。一瞬<今日は飲み会の約束はしてないはずだが…>と思いつつも、チョッピリ<もしかしたら酔って口を滑らしていたか>との心配もあった。最近は酒が弱くなり、深酒すると、記憶が飛ぶことが多々あったからだ。

「あ、井尻です。夜分にすみません。今、大丈夫ですか」「おう。珍しいな、こんな時間に。どうした?」。不安を隠しながら応対した。「いえ。実は雅子経由で阿部さんから連絡があって『連休の予定がなければ5日に飲み会できませんか』と。ええ、『頑鉄』が休みなのは分かってます。だから『こんな機会でないとウチのお店(完庶処)に来て頂けないから』とのことで」。「俺は構わんけど親爺はどうする?場所と時間が分かれば今から連絡してみるけど」。用件を聞いた遠野はホッと一安心。余裕で答えた。

「5時過ぎなら何時でも。場所は有楽町店です」。井尻も遠野の快諾を受けて、これまた一安心のようだ。

<9時過ぎなら店も忙しくないだろう>と勝手に解釈し、店の方に電話すると親爺も二つ返事で合点承知の大喜び。銀座場外で合流し、親爺は「NHKマイルC」の前売りを買って訪ねることとなった。事の次第を伝えると井尻は「じゃあ、自分も5時には場外に行き、店までご案内します」と。

店は場外から真っ直ぐ有楽町駅に向かう途中、電通通りを渡ったところにある。歩きながら井尻が親爺に尋ねた。「何から買ったんですか」「明日も30度近いんだろ。やっぱ、暑さに強い牝馬がいいんじゃねえかと…。とのさんは電話投票らしいけど、俺は戸崎と社台コンビのプリモシーンから買ったよ」。

店に着いたのは5時半。入り口には阿部秘書と梶谷が待っていて「突然のお誘いで申し訳ありません。今日は有り難うございます」。いつもより形式張った感じで頭を下げた阿部秘書。遠野と親爺は「こちらこそ。今週会えるとは嬉しい誤算」と返し店内へ。

阿部秘書はすれ違う店員に「お疲れさまです」と声をかけ<予約していた>という個室に案内した。一昨年秋に、甘方を招待した時の部屋とは別らしい。中華風の丸テーブルになっており勧められるがままに遠野が壁を背に座り、左隣に梶谷、右が井尻で、それから阿部秘書、親爺となった。

飲み物は芋焼酎がメーンで、ビールは瓶なら何でも。生はアサヒのみ。酒は「菊正宗」がポピュラーだが、震災後はオーナーの意向で、4合瓶は岩手、宮城と福島産を奨めているとか。もちろん、震災云々は一般の客には知らされてないし、山口の酒「獺祭」はない。料理はすべて阿部秘書にお任せだが、井尻を通じて「馬刺しだけは勘弁」と言っておいた。

前以て伝えていたのだろう。お絞りと水が届くと、間を置かず、サッポロの黒と日本酒「浦霞」の大吟醸が運ばれてきた。阿部秘書が井尻にビールを注ぐと、梶谷が遠野と親爺に、井尻が阿部秘書と梶谷に酌をし、とりあえずの乾杯となった。

「旨い!」最初に声を出したのは親爺だ。「まさか、こうして京子ちゃんやおまさちゃんと飲めるなんて…。人生で最高のゴールデンウィークだよ」「おいおい。俺と井尻は番外か」と遠野が茶化すと「おっと。いけねぇ」で全員が大笑い。

そこへ切り干し大根と油揚の炒め物と短冊に切った薩摩揚げが運ばれてきた。「鹿児島に『有村屋』という薩摩揚げの店があるそうですが、社長と関係あるんですかねぇ」と井尻。「さぁ。聞いてはいませんが、切り干しは宮崎産で、薩摩揚げも自家製ですから」。微笑みながら阿部秘書。<今日は社長と甘方・別部の話はなし>とのサインか。

話題は南北会談に卓球からメジャーと盛りだくさんだが、親爺はセクハラ次官に腹を立てている。「オレんちで、あんなことがあったら叩き出してやるんだが」と。「心配しなさんな。次官クラスが『頑鉄』に来ることはないから…」。遠野が言うと「違えねぇ」と親爺。

「私達が居た頃の銀行もセクハラ、パワハラはひどかったですよ。“梶”なんて、その二つに加え“食ハラ”にも遭ったんですから」。事情を知らない男3人は怪訝そうに美女2人を見る。梶谷は無言。酒を飲み、新しくきた焼き鳥(ぼんじり)を食べている。

「同じ職場にいた時の支店長が特にしつこくて…。やたら“梶”と私に声をかけ『君達が可愛いと思っているから(支店長同士の)会合に呼んでやってるんだ』とか、内部でも何かと理由をつけ『これは業務命令だ』なんて。さすがにお触りはしなかったけど」。昔を思い出したのか眉を顰める。それを見た遠野は<なるほど“顰みに倣う”とはこの事か>と思い呟いた。それほど阿部秘書は魅力に溢れていたのだ。周りは“何?”てな感じで聞き返したが「調べたら」と言い、つくねを頬張った。

「断り続けたら、次の週からは強制残業ですよ。ね、“梶”」「ホント。嫌な奴。仕方なく2ヶ月後ぐらいに付き合ったら不味そうな刺し身を注文して…」。梶谷がボヤきながら、鰹の平造りを口に入れる。

「あの時の“梶”には私がハラハラしたほどで」と言い阿部秘書が酒で喉を潤す。魚の話が出ただけに親爺も気になり「それで?」と先を促した。「鮪を見て『何ですか?これ』と訊き、支店長が『鮪も知らないのか』とバカにしたら『えっ!鮪ってこんなに黒ずんですか』とトボけ、『新子を食わせてやる』と言った時には、『わぁ、珍しい。こんな大きな新子見たことない』って」。

「ヘヘッ。大きければ小鰭(コハダ)だわなぁ。さすがおまさちゃん」と笑いながら親爺が手をたたいた。「まさか、それが原因じゃないでしょうけど、次の人事で“梶”は異動しちゃって…」「おかげで阿部さんに苛めが集中して…。改めてごめんなさい」。梶谷が謝る。「何言ってんの。“梶”がいないから辞める決心もついたし、それで今があり、こうして楽しい時間が持てるるんだから。むしろ感謝しなくちゃ。ね、皆さん!」とニッコリ。

もちろん、それがすべてではないだろうが、美女2人が銀行を辞めた一因になっているのは間違いなさそう。

キビナゴの一夜干しと一緒に「黒霧島」も届いた。雰囲気が変われば気分も変わるようで、今日は美女2人の身の上話が聞けるかも。


【著者プロフィール:源田威一郎】
大学卒業後、専門紙、国会議員秘書を経て夕刊紙に勤務。競馬、麻雀等、ギャンブル面や娯楽部門を担当し、後にそれら担当部門の編集局長を務める。

斬新な取材方法、革新的な紙面造りの陣頭指揮をとり、競馬・娯楽ファン、関係マスコミに多大な影響を与えた。

競馬JAPANの主宰・清水成駿とは35年来の付き合い、馬主、調教師をはじめ懇意にする関係者も数多い。一線を退いた現在も、彼の豊富な人脈、鋭い見識を頼り、アドバイスを求める関係者は後を絶たない。

源田威一郎

GENDA ICHIRO

大学卒業後、専門紙、国会議員秘書を経て夕刊紙に勤務。競馬、麻雀等、ギャンブル面や娯楽部門を担当し、後にそれら担当部門の編集局長を務める。
斬新な取材方法、革新的な紙面造りの陣頭指揮をとり、競馬・娯楽ファン、関係マスコミに多大な影響を与えた。
競馬JAPANの主宰・清水成駿とは35年来の付き合い、馬主、調教師をはじめ懇意にする関係者も数多い。一線を退いた現在も、彼の豊富な人脈、鋭い見識を頼り、アドバイスを求める関係者は後を絶たない。

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