日本人ジョッキーにあんな騎乗はできない。
大阪杯で見せたMデムーロの超ロングスパート。あれができるのはルメールとデムーロだけ。いや、今や両者のは特権。ダービーのレイデオロをVゴールに導いたルメールと同じ。
超スローを感じてポジションを挙げて勝負に出るパターン。普通失敗したらダメージは大きいのだが、それを恐れていては勝てない。仮にジョッキーが違っていたら、脚を余して敗れていたかもしれない。さすがというしかない。スワーヴリチャードなら早めに動いても最後まで持つ、という確信もあったのだろう。
紙面でも説明したように、現4歳レベルはかなり高い。スワーヴの場合、次はどこへ行くのか。持続力を持ってすれば、天皇賞春でOKとも思うが、GIゲットで馬も自信を深めた。中長距離界のニュースターだ。
今週の桜花賞もなんとかしたい。ラッキーライラック断然ムードに逆らってみるか。

上田琢巳
結果に対してシビアなファンの多い大阪スポーツで、長年に渡り堂々と看板を務め続ける、 ご存知“西の仕掛人”。競馬専門紙『1馬』在籍時から、他に先駆けて「レースラップとタイム重視」の理論を展開。競馬予想界に革命を起こしたラップ理論のパイオニアである。 数字から読み解かれる明解な推理に魅了される競馬ファンは今なお後を絶たず、 後進の予想家たちにも多大なる影響を与え続けている。